こんにちは。新卒2年目の原田です。
以前は開発チームに所属していましたが、現在は教育チームに所属しています。
その背景として、私は昨年から個人的な目線ですが社内に教育に対して興味ある方や協力的な方が多くないように感じており、何か自分にできることはないだろうかと考えることがありました。先輩方にも何度かお話をさせていただき、当時自分がやるべきことやアクションにアドバイスしてもらいました。
また、過去にプログラミングではなくスポーツですが、人に教えて、その人が活躍した時にとてもやりがいを感じたことがあり、教育自体にも興味を持っていました。
以上から、会社に要望を出して今年の3月から教育チームに所属することになりました。
2020年度新人研修の教育カリキュラムを、前年度と比較して大幅にアップデートしたので紹介します。
ちなみに今年度は6名の方が入社してくれました!👏
こんなことになるとは...
まず、今年はなんと言っても「新型コロナウィルスの流行」です😢
弊社では、原則として3月から在宅勤務をするように指示されております。
ですので、業務はもちろん、研修もリモートで行なっています。
新型コロナウイルスに対する当社の対応について(2020年5月26日更新)|セプテーニ・ホールディングス
リモートによる研修は、セプテーニ・オリジナルが創業されて初の試みでした。 そこで、私たちは次の3つを用いてリモートでの研修を進めていきました。
ビデオ会議ツール
まず、リモートで欠かせないビデオ会議ツールです💻
教育チームでは、「Google Meet」と「Zoom」を採用していました。
Meetは会社推奨ということもあり、研修の講義以外ではMeetを使用していました。 一方で、6人の新卒にスムーズにリモートで研修するためにZoomを活用しました。
Zoomには、
- 複数人同時に画面共有することができる
- 画面共有時に、参加している人の表情が見える
- リモート操作をすることができる
- 録画機能がある
といった、研修の方法に寄りますが便利な機能があります。
しかし、当初Zoomにはセキュリティ面の懸念がありました。ですが、公開されているセキュリティ対策に考慮して使用しました。
現在Zoomが5系にアップデートされおり、懸念は大幅に解消されております。
Zoom 5.0が登場しました!
オンラインMTGでのノイズを軽減するツール
オンラインMTGにおけるノイズや雑音をAIで消去してくれる「Krisp」というツールを活用しました🔈
こちらは、周囲の環境音やノイズを低減してくれます。
「家の近くで工事をやっているのに、その音が聞こえないようになった」という話が社内でもありました❗
オンラインホワイトボードツール
普段職場ではホワイトボードを使い、議論や振り返りを行っています。
そこで、オンラインでも同様に議論するためにオンラインホワイトボードツールの「miro」を活用しました📌
研修中、夕会や振り返りといったことをしているのですが、その時に使用しています。
使っている様子が以下になります。
同時に編集することが可能で、とても使い勝手が良いです! また、付箋は10色以上あり使い分けすることもできますし、ホワイトボードがとても広く、のびのび使用できます。
リモートで研修で困ったこと
リモートで研修をして遭遇した困ったことについても紹介していきます。
聞いてくれている方々のリアクションが分かりにくい
ハウリングが結構多く、研修の妨げになると考えてくださり、基本全員マイクオフにしてくれていました🙇♂️
また、互いにどんな人なのか把握していなく、言葉も発しにくい、話し始めの牽制をしている雰囲気。
終盤は、カメラもオフにしていました (リラックスして研修を受けれない、あまり写したくないなどの理由があったのでオフでも良いことにした)。進捗確認
ハンズオン形式が多く、進捗が人それぞれで、項目ごとの解説をするタイミングが難しい。新卒同士、先輩社員との交流が少ない
リモートだし、そうですよね...💧
以上のように「困った…😭」と思うことがありました。
工夫したこと
困ったことを解決するために、工夫したことについて紹介します。
Slackで進捗確認
ハンズオンの項目をSlackに投稿し、終わった項目にリアクションしてもらうようにしました👍
こうすることで、視覚的に進捗の確認ができ、遅れている方のフォローに回ることが容易になりました。新卒 x 新卒2年目雑談会
新卒同士の交流が少ないの解決ではないかもしれないですが、年齢が近い人たちと交流し、考えや思いを互いに知ることで、コミュニケーションをしやすくなってくれたら良いなと思い、開催しました🍻シャッフルランチ
毎年、新卒と先輩の接点を増やし、エンゲージメントを高めてもらうため、週1回、先輩社員2名と新卒2名のグループを作りランチしてもらっています。 今年は原則在宅勤務ですので、これもリモートで開催いたしました。
ここで発見だったのが、先輩社員方々が自己紹介スライドを作ってくださり、コミュニケーションを上手く取れたことです。 これは、リモートだからこそのメリットだと思います。新卒からも見返せたり、記憶に残りやすく質問をしやすいという声もありました!研修を録画
録画することで、ネット環境が悪くて聞き取れなかった部分や、進捗が遅れていて、後で見たいといった場合等、後から見返せます📹
もちろん、質問してくれるのが一番良いことだと思っていますが、繰り返し見たい箇所に何度も戻れる且つ、自分のペースで見れるので良さそうです。
シン・研修カリキュラム
(エヴァは延期されましたね…、春夏アニメが色々延期されており悲しい原田です😭)
冒頭で話した通り、研修内容が大幅アップデートしましたので、どんな研修を実施したのか紹介していきます。
そもそも新人検研修で本当に学ぶべきことは何か?
2019年度の新人研修ではこちらのリンクに記述しているのですが、Scalaを使ったプログラミング中心の研修でした。 labs.septeni.co.jp
昨年度までの研修では、一通りScalaを使った開発ができたのですが、現在、会社ではScala以外のプロジェクトが増えていたり、 開発チームに入るために必要な知識を全て研修期間内に身に付けることは難易度が高いと判断しました。
そこで、教育チームでは、そもそも新人研修で本当に学ぶべきことは何かと考えたところ、 「3ヶ月の期間で、自走できるエンジニアになる」 ということに辿り着きました。
私も昨年現場に配属されて、痛感したことなのですが、エンジニアとして活躍するためには、 自走できるエンジニアであることが必須であると考えました。
この「自走できる」とは、
- 指示がなくても活動ができる
- 自発的に勉強をする
と考えております。
この2つの要素があれば、エンジニアとして活躍の場が広がると考え、研修内容をアップデートしました。
また、幅広い領域を触れることで興味の対象を増やしたり、
今後困った時に、少しでも理解があると解決に繋がる行動ができるのではないか、という点も意識しました。
研修内容
では、アップデートした研修カリキュラムの内容について簡単にご紹介します💁♂️
マインドセット研修 New!
ミッション・ステートメントを決めたり、企業理念を理解、自走できるエンジニアとは、HRTなど仕事の進め方 New!
報連相や質問の仕方、優先順位の決め方など調べ方研修 New!
有益な情報に早くアクセスするために必要なスキルを身につける。Linuxコマンド
Linuxコマンドの基礎を学ぶ研修です。最後には、調べるスキルで教わったことを意識して、課題を解く。プログラミング研修
Scala研修テキスト と、先輩社員は作成した補足資料を用いた。
演習問題を用意し、gitで提出してもらう。ソフトウェアテスト技法研修 New!
サブセット(テストケース)を分析、設計、選択して、欠陥をより多く検出できるテストケースを作成できるように、テスト設計上の戦略をテキストを用いて学ぶ。Web基礎研修
どのような仕組みで弊社HPにアクセスできて、どのように動いているのかを指定されたトピックを含めて、新卒6名全員でまとめる。
温度感としては、来年の新入社員に説明する想定。セキュリティ研修 New!
そもそもセキュリティとは、セキュアプログラミングに関して、弊社が行なっているセキュリティに対する取り組みについて。データベース研修
SQL 第2版 ゼロからはじめるデータベース操作 をベースに先輩が作成した資料を使った講義と問題。ETL研修 New!
データ基盤やETLについて学んだ後に、実際にETL処理する。コンテナ(Docker)研修
Dockerの概要や、実際にImageを作ったり、コンテナを動かす。IaC研修 New!
Infrastructure as Codeということで、AWSやterraformを学ぶ。Webアプリケーション研修
先輩社員が作成した資料をベースに、Playframeworkを使って、CRUDアプリケーションの作成。要望/課題を捉える研修 New!
顧客のために仕事をしようをテーマに、各チームや先輩社員にヒアリングして実践的な研修。DDD研修
ドメイン駆動設計入門 ボトムアップでわかる!ドメイン駆動設計の基本 | 成瀬 允宣を読む。
その後、先輩社員がPOとなり、要件を元にモデリングする。チーム開発研修
チームに分かれて、モデリングをしたものを実際に開発。アドバイザー勉共会
弊社のアドバイザーである麻植泰輔さん, 加藤潤一さんによる勉強会です。
麻植さんからは「sbtトラブルシューティング101」、かとじゅんさんからは「割り勘モデリングワークショップ」を開催していただきました。
以上が、今年度実施した研修となっています。
各研修は、教育チームだけなく現場で開発をしているエンジニアの方々にも資料の作成や講師として講義をしていただき、幅広い領域の研修を実現することができました。
今年度の研修は、内容が濃くなっただけではなく、昨年度より半月短く55日間の期間でした。
結果、タイトで大変な研修だったような気がしますが、とても成長ができる研修だったのではないかと感じています💪
最後に
アップデートされた研修について
昨年、研修を受けていた身としては、とても羨ましい研修と感じています。
今年の新卒は既に自分より凄い人材になっていると、ひしひしと感じていて、私自身も良い刺激になりました。
ただ、内容の見つめ直しが必要な研修もあったりするので、来年は更にアップデートする予定です。研修担当者として
昨年から教育する側をやりたいという目標があり、その要望を聞いてくださった先輩方、本当にありがとうございました。
そして今年度の新人研修に携わり、自分の中の意識が変わったり、成長できたと感じています。 以前は、主体性がなく塞ぎ込んでいたのですが、自分から「こうすればもっと研修が良くなるのでは?」、「自分がある仕事をやっておけば周りの助けになりそう」のように周りのことや先のことを考えられるようになったり、意見を言えるようになったと思います。 また、再び基礎を固めることや、逆に新しく知ることがあったりと、自分自身の学習にも繋がったり、今まであまりファシリテートをやってこなかったのですが、研修を通して経験することができました。そして、教育する立場として、人と人を比べず成功体験を持たせる、ということを考えないといけないことを知ることもできました。 一方で、改めて経験や実力、勉強不足だと気づきました。 2年目で勉強癖がない自分は研修中に上手く技術的なアドバイスができなかったり、説明がよくなかったり悔しい思いをしました。 教育ができるくらいの基礎はあると思っていたのですが、実際に教える立場になってみると、言葉にして説明する難しさを実感しました。 また、自分に自信がなく、それが説明する言葉に出ていることを知ることができました。
以上の感じたことや気づいたことは、どの仕事においても考えなければいけないこと、やらなければいけないことなので今後も意識したいです。社員のみなさま
新卒の方々が気持ちよく研修を取り組めるよう社員の方々が主体的に動いてくださりました。シャッフルランチの自己紹介スライド作成の提案や、新卒が書く日報に目を通してリアクションするよう促したりと、コロナ渦だからこそ新卒の方々を気をかけており、いつも以上に社員のみなさまの暖かさを感じました。
また、研修期間中はメンター制度を導入し、メンターの方々は、教育チームだけでは把握できないメンタル部分のケアであったり、今後、新卒が会社生活を充実に過ごすために動いてくださりました。
ありがとうございました!今後
7月で教育チームの期間は終了し、再び現場の開発チームへ異動する(3回目)ので、今回の経験を活かしたいなと思います。
そして、自分の技術を磨いて、来年も教育に挑戦してより良い研修ができればと思っています。