FLINTERS Engineer's Blog

FLINTERSのエンジニアによる技術ブログ

読書記録📕GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織の作り方

ご挨拶

こんにちは! FLINTERSの後藤です。普段は、広告の予算管理ツールの開発のプロジェクトマネージャー(PjM)をしています。

今回の投稿は、FLINTERSブログ祭りの記事です。 ブログのテーマは、#読書感想文 #リモートワーク #居心地の良さと成果の両立 です。

www.shoeisha.co.jp

この本を選んだ理由

新卒から2年間PjMとして働いてみて、チームには馴染んできたのですが、外部の勉強会に参加したり、他チームの開発状況を聞いた時に、自分はちゃんと成果の出せるチームを作れているのか?と疑問に思っていました。また、リモートワークでも居心地よく、成果を出せるチームづくりについて学びたい!と思い、選びました。

GitLabとは?

GitLab社は、DevOpsプラットフォームと呼ばれる、効率的なソフトウェア開発を支援する製品「GitLab」の開発を行なっています。 GitLabは世界67カ国以上にまたがり、2,000名を超えるメンバーが在籍している「オールリモート企業」です。(中略)オフィスを持たず、世界中に従業員がいるので、決まった就業時間やコアタイムなどのタイムラインを持ちません。 (本書p.32、以下明示しない限り本書のページ番号) 時間と場所にとらわれない採用を行なっており、世界中から優秀な人材がソフトウェア開発でコラボレーションできる、ことを何よりの価値としています。

居心地の良さと成果の両立の秘訣:目指すべきものを明確にする

GitLabは、評価基準を明確にして、全世界に公開しています。GitLab Handbook というハンドブックに、組織の歴史から、Value、カルチャー、評価、報酬が全て明記されています。また、ここに書かれていることは絶対のルールで、ここに書かれていないことによって物事が決まったりはしません。 handbook.gitlab.com

特に、報酬はJob Gradeを基準として決定されるため、キャリアパスが明確です。GitLabでは、マネージャー層としてキャリアを積むか、優れた一個人としてキャリアを積むか選択ができ、どちらも尊重されています。

FLINTERSのエンジニアも、歴が長くてもマネージャーとしてではなく技術者としてキャリアを積みたい人もいるため、この評価基準はいいなと思いました。

マネジメントだけではなく、個人貢献者としてのキャリアも尊重される GitLabから学ぶ世界最先端のリモート組織の作り方 p.239

ネガティブなことも明確に伝える

GitLabでは、心理的安全性を維持しながらフィードバックを行っています。特に、ネガティブなフィードバックをする際は、以下のことに留意をしています。

  • 前向きな意図(意図的にミスをしたのではなく、より良くしようとした結果、間違えた)を想定する(p.199)
  • ネガティブなフィードバックを送る前に日常的にポジティブなフィードバックや人間味のあるコミュニケーションを行なっていて、良い関係性を構築しておく(p.200)
  • SBIモデルを活用する(p.201)

その中でも、SBIモデルについて参考になったので取り上げます。

SBIモデル

SBIモデルとは、状況(Situation)-振る舞い(Behavior)-影響(Impact)を組み合わせて伝える方法です。

例えば、あなたがマネージャーで、メンバーの一員のAさんが会議でBさんを複数人の前で非難してしまった、という状況があったとします。SBIモデルでは、以下のように整理してAさんにフィードバックを与えます。

以下、本書p.201の事例を参考に作成

「今週月曜の開発会議でAさんがBさんの発言に対してリアクションをするときに(S)、Aさんは腕を組みながらみんなの前でBさんに対して”なぜこんなこともできないのか?”と発言しました(B)。失敗をみんなの前で責められると、他の人が問題を表明しづらくなってしまい、改善の機会やリスクに気づけなくなってしまうと感じました(I)」

また、GitLabではこうして整理した結果を、ドキュメントとして書き留め、フィードバックをする側、受ける側がどちらもアクセスできるようにしています。そうすることで、事実ベースに議論をするめることができ、改善することに合意できそうであれば、どんな行動を今後取るかも明記していきます。

終わりに

自分のいるチームは、雰囲気はすごくいいが、生産的か?と言われるとPjMとしてあまり貢献できていないように思っていたので、本書の内容を活用できそうだなと思いました。居心地が良いが、成果もあげられるよう頑張っていきたいです。