FLINTERS Engineer's Blog

FLINTERSのエンジニアによる技術ブログ

チーム横断の勉強会を運営してみた

こんにちは。 FLINTERSでエンジニアをしている佐野です。

今回はFLINTERSで開催中の「梅雨にも負けない!ブログ祭り」の企画として、チームを横断して知見を共有しあうための社内勉強会を始めてから10ヶ月ほど運営してみて、やってきたことや感じたことを紹介しようと思います。

なぜ始めた?

チームを超えて相談するといった機会がこれまであまりなく

  • 他のチームでも同じようなことやってそうだけど誰に聞いたらいいのかわからない
  • 詳しそうな人は知ってるけど話したことがなくためらってしまう
  • 新しいチームで知見があまり溜まっていない
  • チームでやっている取り組みがうまくいったけど共有する場がない
  • チーム外の人と話したことがあるもののコンテキストが違うのであまり参考にならなかった

といった課題がありました。

そこで、チームで抱えている課題に対して、それぞれのチームの知見を共有しあい、チームに展開していくことを目標に勉強会を始めることになりました。

何から始めた?

業務内容が近いチームの中でも勉強会で話したことをそれぞれに展開してもらえるように中心となっているメンバーを集め、4チーム横断の6人で毎週30分という形でスタートしました。

チームが異なると普段何をしているのか知らないことが多くあります。他のチームでは同じような課題感を持っていてすでに解決しているかもしれない、あるいは自分たちのチームで解決した課題が他のチームに役立つかもしれない、ということでまずはそれぞれのチームで感じている課題や、チームで過去にあった課題感とその解決策を出し合い、意見の多かったテーマから議論を進めました。

課題を一緒に解決し、解決方法をチームに展開していくことが目標なので、コンテキストが異なるメンバーが集まっていはますが、なんとなくよさそうな抽象的な結論にするのではなく、チームに持ち帰れそうな具体的アクションに落とし込めるよう心がけました。そのためには、少人数でお互いのチーム状況やコンテキストを説明しながら話すことにより共感性を高め、毎週開催することで話したことを忘れないようにすることが大事だと考えています。

やってみてどうだった?

運営メンバーで課題を出し合って、チームビルディング、ドキュメント、要件定義、メンバー育成などいろいろなテーマについて議論を行いました。

実際の成果として、あるチームで行なっていた技術的決定をArchitecure Desicion Recordとしてドキュメントを残していく取り組みが他のチームでも導入されました。勉強会を通じてチームに閉じていた知見をそもそも共有できたという要因もありますし、他チームとのコネクションができたために都度相談しながら、アクションのサポートをできたことが良かったと思います。

テーマとしてはどのチームにも関連するようなテーマを選んでいるので、専門的な技術に関するテーマを扱っていません。また、運営メンバー同士の距離感が近くなり相談ができるようになったように、他のチームメンバーが日々抱えている技術的な悩みも他のチームの詳しい人に相談できるようにしたいと思い、業務で使用している技術を紹介する勉強会を開催しようと考えました。

各チームはどんな業務を行なっていて、どんな技術を使用しているのか、誰がその技術に関して詳しいのかという内容で、毎週の勉強会に参加しているメンバー以外も集めて20人強でオフラインで勉強会と懇親会を行いました。

効果をアンケートをしてみると、他のチームがどんなことをしているのか知れてよかった、技術選定の背景が聞けてよかった、自分の技術領域と近い人がわかった、懇親会ではより専門的な話ができたなどの声があり、メンバー間の距離感が縮まりやって良かったなと思います。オフラインで集まったこともお互いを知る上で効果的だったと思います。

次回は今回のようなチームの業務内容や技術を広く浅く紹介するのではなく、興味ある人が多い専門的な内容をテーマに選んで定期的に開催していこうと考えています。

今後の展望

勉強会で決めたアクションを活かせるタイミングはそれぞれのチームの状況によっては異なります。そこで問題となったのが、勉強会のドキュメントを後から参照しやすいように残せていなかったことです。

毎週の勉強会ごとに議事録は残していたのですが、どこに何が書かれているのかわかりづらく、参考にしたいタイミングで共有した知見を参照しにくい状況となってしまっていました。

社内ドキュメントはなぜ更新されないのか?情報の鮮度を最小限の運用負荷で維持する「イミュータブルドキュメントモデル」のススメ

にあるイミュータブルドキュメントモデルを参考にしながら、毎週の議事録は残しつつ、決めた内容はリソース情報として別に、後から誰がみてもわかりやすいようにまとめていこうと取り組んでいます。議事録の内容をあとで誰かがまとめるのではなく、勉強会の場で課題解決の議論をしながら、リソース情報として何を残すべきかを議論しドキュメント化していくことで、議論の方向性をメンバー間で統一させるとともに、自分たちのドキュメント力の向上に繋げています。

こういったドキュメント活動によって自分たちで決めたアクションの実行率が将来的に高まればと思っています。

まとめ

チームを横断した勉強会はそれぞれのチームの状況が異なることもあり、最初から方向性を決めるのは難しく、やりながら気づきを得て振り返り、勉強会の方向性を都度修正していくが多かったと感じました。今回の経験が、社内勉強会の運営に困っている方の参考になれればと思います!