この記事は10周年記念として133日間ブログを書き続けるチャレンジの42日目の記事となります。
はじめに
株式会社FLINTERS 礎です。開発チームすら存在しない時代からの業務支援をしている最古参となります。現在は、FLINTERS、FLINTERS VIETNAMを横断するプロジェクトでマネージメント等を担っています。
この投稿ですが、昨年からおよそ1年かけて進行中のSnowflakeへの移行プロジェクトの話をベースに私がどのようにプロジェクトをドライブさせているのかを少し共有させていただこうと思います。
Snowflake移行に関する開発視点のお話に興味がある方はこちらからどうぞ! blog.flinters.co.jp
本編スタート
プロジェクト着任
前フェーズにも薄く関与していたのですが、誰しもがやるべきだと思っているのに、誰も推進しようとしないプロジェクトの印象でした。
そんな中、2022年6月頃にオファーがあり担当することとなりました。
プロジェクトスタートまでの道のり
これまでプロジェクト推進が困難だったのには当然理由もあり、先ずはそこからの着手となりました。
「なぜ進まないのか?」これに対する私の見立ては以下でした。
- プロジェクトの目的が明確ではない/浸透していない為、ノイズが多い
- 責任者不在
- 顧客との情報の連携・説明が不十分
- 顧客を含め、誰がリードしていくのかが曖昧
目的の明確化
今回のプロジェクトでは、関係者の目線を合わせることからのスタートです。 関係者も多く立場が違えば関心ごとが異なります。そこを事あるごとに対応するのは非常に大変な作業となります。また、軸がブレるとプロジェクト自体の意思決定も鈍り進行にドライブがかけにくくなるので、プロジェクトに方向性を持たせる必要があります。
具体的に云うと下記2点
- なんの為にやるのか
- 私たちはどう云う未来を目指すのか
最終的な意思決定は顧客側ですが、「こう云う状態だからその改善に向けてやるべき」「こう云う未来を目指しましょう」という やるよ!の提案 を行いました。
実際に顧客のビジネス拡大の足枷になっている状態で絶対にやるべきプロジェクトでしたので、背中を押した感じです。最終的にほぼそのままの形でプロジェクトの目的として掲げられます。
どのプロジェクトもそうですが、お断りをする前提でない限りは、いかに意思決定につながる道を作るかが大事なポイントだと思います。そう云う意味では、今回は道を作った後に背中を強く押す必要があるプロジェクトだった印象ではあります。
体制面の強化
次に取り組んだのが、体制面の強化です。
顧客と協力してゴールに向かうのはとても重要ですよね。
まず、先方での責任者を明確にしてもらいコミュニケーションパスをシンプルにしました。同時に双方での役割も明確になった感があります。顧客内での情報連携、調整はお任せする形とさせてもらいました。
責任者を立ててもらう=責任を全てお任せするではなく、それぞれ価値を出せる領域での責任を果たそう/お互いサポートすると云う解釈ですね。 ※ 発注側の責任、請負う側の責任、それぞれあるよねと云う意味
このプロジェクトにおいて、この体制を作れたのは大きかったと思います。
情報連携
プロジェクト進行において、顧客との友好な関係も大きな課題の一つでした。関係の構築には、当然ながら密な情報の連携が欠かせません。かなりの初期から場を設け常に進行状況や課題、懸案を相談し合える環境を設けました。
会議の準備・進行などは私自身が行なっているのですが、こんなことを意識して切り盛りしています。
- 課題はなるべく棚上げしないで、その時点で両者で方針を決める
- 誰の何のタスクなのかNext Actionを明確にする
- テクニカルな内容を話す場合、相手が理解しやすい形、目線を合わせられる形で説明する
- 意見・決定事項に固執し過ぎず、妥当性や違和感があれば適宜軌道を修正する
FLINTERSの行動規範にもある 「批判より提案、そして行動を」 の心構えがとても大事ですね。課題に対していかに素早く改善のアクションへ繋げるかです。
余談ですが、対面でのコミュニケーションも大事 だと思っています。時代と共にメッセンジャー等での交流が主流となってきていますが、先方が持っているちょっとした相談を引き出せたり、関連する少し先の話なども出来て非常に有益だと思います。いろんな研究結果もありますが、言葉以外で感じられるものをトリガーにコミュニケーションが出来るとより良いのかなと常々思うところです。
プロジェクトの牽引
プロジェクトを進行させるには、車輪を回す人が必要。
このプロジェクトの牽引は FLINTERSの役割 だと考えています。この軸は初期からブレないようにしています。(※私自身の軸でもあります) ロードマップの作成を含め進行の段取りは、現在も率先して担っています。
「次どうしましょう?」ではなく「こうしましょう」から相談してブラッシュアップを行う感じですね。 作業が待ちの状態にはならないようにいかに段取りを行うかが勝負です。
率先して牽引するのは、スムーズな進行の他に、 リスクヘッジ(テイクしつつヘッジする)の意味合いと、同時に開発チームが動きやすい環境の地ならしをする目的も兼ねています。また、指示されて動くのではなく自ら計画し動くことで外部からのノイズが減り仕事が進めやすくなると考えています。
顧客に寄り添う
プロジェクトが軌道に乗ってからも週次定例で状況の確認やそれぞれの懸案などを対面で話し合っています。今回のプロジェクトスコープはDWHの切り替えですが、そこが顧客にとってのゴールではなく一通過点でしかありません。直近ではスコープ外の話をすることも多々あります。
プロジェクト進行の中で如何にFLINTERSの存在価値を生み出していくか、次に繋がる布石を打てるかがフロントに立つ側の役割なんだと思います。
ちょっとしたことですが、信頼関係の構築や先々の自分達の働きやすさにも繋がると信じています。
最後に
一部にFLINTERの行動規範を挙げていますが、プロジェクトを回す上においても以下はとても重要なポイントとなりえます。常々感じていますが、良い行動規範ですよね。
- 批判より提案、そして行動を
- 最終的に決めたことには惜しみない協力を
- 顧客を知り、期待値を超えろ
- 攻守の優先付けで、最大価値を目指せ
さて、プロジェクトもいよいよ大詰めのCLOSINGフェーズです。失速せずにプロジェクトもなんとか走り切ることができそうです。 この記事の中で、何か一つでも役に立てる情報があれば良いのですが、価値の生み出し方、働き方は人それぞれですので、参考程度に眺めてください。
最後に、現場で開発を行なってくれている顧客/FL/FVのエンジニアにはただただ感謝です。無事に完走して、みんなで喜びを分かち合いたいと思います。